経営が安定しているかをみる経営分析値として、自己資本比率があります。
経営の安定とは
経営が安定しているとはどういった状態でしょうか。
その1つは、自己資本が多いこと。
どこから資金を調達してくるか。
1つは、他人から、もう1つは自分で、という方法があります。
他人からの調達は、負債といい、借入金や買掛金、未払金などがあります。
買掛金や未払金といった、まだ払っていないものも、調達のうちです。
自分からの調達は、純資産(昔は資本と言っていました)。
資本金やこれまでの利益の蓄積である利益剰余金があります。
自己資本比率の計算方法
自己資本比率は、
純資産/負債・純資産合計
で計算するものです。
負債と純資産、つまり他人と自分からの調達のうち、どのくらい自分で調査つしているかを示します。
一般的には、30%あると安定していると言われますが、決してそうともいいきれません。
自己資本がいくらあっても、お金(預金)がなければ、安定とはいえませんし、自己資本があってもお金があるとは限らないからです。
そして、中小企業であれば、利益は極力少なくしがちなもの。
税金、払いたくないという気持ちが大きいでしょうし、役員報酬をある程度変えることができるため、個人に分配できるからです。
上場企業は、株主への分配を考えるため、利益を出し、税金を払って、その残りを大きくする必要があります。
とはえい、中小企業も、過度の節税はいいものではなく、ある程度の自己資本比率は保ちたいものです。
私は、中小企業なら業種にもよりますが、10%を目指せばいいのではないかと思っています。
規模が小さければ極力100%を目指しましょう。
私の会社は自己資本比率99.1%です。
(ひとりですし、サービス業なので)
自己資本比率を上げるには
自己資本比率を上げるには、
・資本金を増やす
・利益を増やす
という方法があります。
資本金を増やすのは、また別の話で、手続きも必要ですので、利益を増やす方法が現実的でしょう。
この利益は、前述のとおり、税金を払ったあとの当期純利益です。
税金が40%とすると、1000万円の利益で、400万円の税金を払い、600万円が残ります。
言い換えると、600万円、60%しか残せないのです。
自己資本比率が高いということは、価値があることということになります。
税理士井ノ上陽一のプロフィール
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