消費税は、それなりの金額になるもの。
節税できるのかどうか、考えてみました。
結論から書くと、節税は難しいです。
消費税の計算方法で節税
消費税は、原則として、預かった消費税から払う消費税を引いて計算します。
たとえば、売上が110、経費が66だとすると、
・預かった消費税は、10
・払った消費税は、6
その差額の4を納税します。
一方で、売上だけで納める消費税を計算する方法もあり、その場合、上記の例で卸売業だと、1の消費税を納めます。
4よりも減らせるわけです。
ただし、サービス業だと、5となり、逆に増えます。
この方法(簡易課税といいます)で計算するには、
・事前に届け出(基本的にその事業年度が始まる前)
・その前々事業年度の売上高が5000万円以下
という条件を満たさなければいけません。
これを「節税」といえるかどうか。
結果的に節税になることもあれば、そうならないこともあります。
・預かった消費税は、10
・払った消費税は、12
という場合もあり、この場合は、2の消費税が戻ってきますが、売上のみで消費税を計算すると、1の納税となるのです。
受け取る消費税を減らす
預かった消費税を減らせば、納める消費税は減ります。
じゃあ、売上を減らすかというと、それでは本末転倒でしょう。
1つの考え方としては、消費税の対象となる売上を減らすという考えもあります。
消費税の対象になる条件の1つは、国内かどうか。
海外に売る場合は、消費税の対象となりません。
ただ、そのためだけに、海外へ売るのは本末転倒でしょう。
払う消費税を増やす
払う消費税を増やせば、納める消費税は減ります。
それがために、経費を増やすのは、意味がないことです。
給料だと消費税の対象外。
外注費だと消費税の対象。
だから、「外注にしよう。消費税を減らせるから」と言われることもありますが、そのためだけに外注にするのはおすすめしません。
名目は外注費でも、実質的に「給料」になる、つまり社員と同じような働き方になるなら、税務調査で指摘される場合もあります。
気をつけましょう。
「税金のために行動を変えない」のが原則。
消費税を減らすのはなかなか難しいものです。
大事なのは、消費税は、一時的に預かるもの。
今期、どのくらいの消費税を払うかを計算して、常に把握しておくようにしましょう。
減らすことが難しいので、なおさらです。
税理士井ノ上陽一のプロフィール
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